AVM研究

AVMは脳内の動脈と静脈が血管のかたまり（ナイダス）で直接つながっており、大量の血液が流れている。ほとんどが胎児期（出生前）から小児期にかけて発生し、成人以降に発生することはほとんどない。よって若年齢で発症することが多く、一番多いのは脳出血やくも膜下出血による出血発症で、重篤な症状が後遺することがあります。その他、けいれん（手足がひきつる）で発症する場合や、頭痛で発症することがあります。

治療としては、血管内治療による塞栓術、手術による摘出術、放射線による治療があります。徳島大学では、手術での処理が困難な血管の塞栓や、AVMの血流量を減じるためにAVMの摘出前に血管撮影室で塞栓術を行っています。AVM摘出術は、手術室内に脳血管撮影装置が設置されたハイブリッド手術室で行います。術中の脳血管撮影により、AVMの血流変化や、摘出後、AVMの消失を確認することが可能である。年間症例数が少ないため、学外研究施設との連携研究体制を構築しており、貴重な臨床サンプルの遺伝子解析や組織学的評価が行われ、世界的にも新たな治験を発表しています。独自の研究としてAVMからの出血による脳損傷や後遺症を防ぐため、新たな手法を取り入れ、臨床研究を中心にAVMの病態解析や出血予知因子の同定に向けて検討を進めています。