私の合格体験記に需要があるのか謎ですが、合格した感動が残っている間に、書き綴ってみました。これから受験される方の参考になれば幸いです。
私の後期研修で例年の先生方と異なるのは、市中病院での研修から大学病院に戻ってくる前に、脊椎脊髄外科分野の手術をしっかりと勉強してみたかったことから、2ヶ月間釧路孝仁会記念病院に研修に行かせていただいたことです。この2ヶ月間が非常に濃厚で、脊椎脊髄外科手術の前立ちもたくさんさせていただいたと同時に、日本でもトップクラスの実力を持つ先生方の開頭ネッククリッピング術やバイパス術などの手術にも入らせていただき、多くのことを学ばせていただきました。釧路の気温が氷点下になり始めた昨年12月に徳島大学に戻り、そこからは腫瘍やてんかん、機能外科など、これまであまり入る機会のなかった手術を中心に担当させていだたき、症例ベースの勉強を重ねていきました。
先輩方からいただいた資料をもとに、机に向かって問題を解くような本格的な試験勉強を始めたのは、ちょうど試験2ヶ月前、試験休暇が始まってからでした。この時点で例年の先生方のペースと比べて遅れている自覚があったので、この2ヶ月は集中して勉強しました。小児、てんかん、機能外科、脊椎、脳腫瘍病理、血管障害など、専門医向けの多くのセミナーを聴講。脳神経外科分野は幅広く、範囲が膨大であり、教科書やセミナーの資料なども数えきれないほどあるため、基本的にはPDF化してipadに分野ごとにまとめ、朝のカンファレンス中や、移動の最中などもいつでも気になったときに調べられるようにしました。goodnote5のフラッシュカード機能や、暗記アプリも使用し、自分の問題集を作って直前に何周もして、詰め込みました。医局の横の席の先生を捕まえて、問題を出してもらい喋りながらアウトプットもしました。国家試験以来久しぶりに集中して座学をしたため、かなり疲労しましたが、なんとか勝ち取った合格の直後はこの上ない爽快感でした。
脳外科の専門医試験は臨床に直結するような問題が多く、合格できたのはこれまでの自分の臨床経験を支えてくださった同門の先生方や、2ヶ月間勉強に集中できる環境を作ってくださった医局の先生方のおかげです。本当にありがとうございました。