専門医のメッセージ

2021年度 脳神経外科専門医試験 佐藤先生合格体験記

佐藤裕一

専門医試験の合格体験記ということでまとめさせていただきます。よければおつきあいください。

自分は2017年4月に徳島大学脳神経外科に入局しました。

最初の大学病院での半年間は、脳神経外科の手術手技や病棟業務など、基礎的なところから指導いただきました。脳神経外科医としての第一歩をスタートします。

次に徳島赤十字病院へ異動になりました。高度救命救急センターに指定され、ドクターカーを運用していることもあり、脳卒中や重症頭部外傷など、急性期疾患を診療する機会が数多く得られました。緊急手術も数多く経験でき、1分1秒を争う状況での対応など、ヒリヒリするような経験もたくさんさせてもらいました。

その後徳島県立三好病院へ移ります。徳島西部医療圏唯一の3次救急指定病院ではありますが、医療資源は限られており、その中で脳神経外科医としてできることを探しながら日々の診療に当たりました。

最後に大学へ戻ってからは、試験に向けてのラストスパートで、大学ならではの高難度脳血管疾患や脳腫瘍、てんかんの外科手術などを担当させていただき、カンファレンスで鍛え直されながら知識の整理を行いました。

徳島大学脳神経外科では、専門医試験前に2ヶ月の勉強期間を与えてもらえます。この間は病棟フリーになり、試験勉強に専念できるのです。同期の先生と試験に向けて勉強を開始します。まずは広く浅く知識を再確認し、不十分なところを深く掘り下げる形で総仕上げを行っていきます。これまでぼんやりとしか理解していなかった解剖の知識や、無数に存在する脳腫瘍の組織型などについて、一つ一つ潰していきます。勉強すればするほど、わからないこともどんどん出てきて終わりが見えませんが、「これだけ勉強していてこれなんだから、他の受験生も同じ気持ちだろう」と、へこたれずに毎日ひたすら机に向かいます。

そして2021年9月12日、まずは筆記試験です。脳神経外科専門医試験は、「どれだけ勉強しましたか?」というのを試される試験です。解ける問題は解けますが、解けない問題は解けません。「自分が解けない問題はみんな解けてない。」と自分に言い聞かせながら試験を終え、全く手応えのないまま試験会場を後にします。9月23日、筆記試験の結果が唐突に学会ホームページに掲載され、無事合格。口頭試問の集合時間も同時に掲示されます。3週間ほど期間が空くため、口頭試問に向けた対策に追われます。そして10月12日、ホテルグランヴィア京都にて、口頭試問が行われました。なんとか試験時間を乗り切り、帰宅。後日教授が試験委員であったこともあり、電話で合格の連絡をいただきました。無事合格できたのは、紛れもなく徳島大学脳神経外科医局並びに同門の先輩方のご指導のおかげです。本当にありがとうございます。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。