私が医師になった2005年当時は脳血管内治療は脳神経外科のメインストリームではありませんでした。しかし2023年現在、脳血管内治療は脳神経外科診療において中心的領域の一つとなりました。特に、超急性期脳梗塞に対する脳血栓回収療法は行わなくてはならない治療となり(すべての患者さんに適応となる訳ではありません)、世界規模で手術件数が年々飛躍的に増加しています。対象となる疾患・治療は、前述の脳血栓回収療法、頚動脈狭窄症に対する頚動脈ステント留置術、頭蓋内血管狭窄に対する血管形成術やステント留置術、脳動脈瘤(破裂、未破裂)に対するコイル塞栓術(フローダイバーターも含む)、脳動静脈奇形に対する経動脈的塞栓術、硬膜動静脈瘻に対する経動脈的・経静脈的塞栓術、脳腫瘍の栄養血管塞栓術、慢性硬膜下血腫に対する再発予防(中硬膜動脈塞栓)、脳血管攣縮に対する血管拡張薬動注療法などです。
専門医試験は、筆記試験に加え、口頭試問、さらには実技試験と、他に類を見ない非常に実践的なものとなっています。最終合格率は50〜60%とハードルが高い試験です。受験要件等の詳細は添付のサイトを確認してください。
徳島大学病院には、日本脳神経血管内治療学会指導医が3名、専門医が5名在籍しています。指導体制や症例などは充実しており、脳神経外科専門医取得後、翌年もしくは数年以内に受験が可能です。