脳神経外科医へのよくある質問

脳神経外科専門医を目指す方へ

脳神経外科に向いている人ははどんな人ですか?

脳や神経に興味のある人、真面目な人、優しい人、明るい人、冷静な人、前向きな人、協調性のある人などです。

初期臨床研修を終えた医師なら希望すれば誰でも脳神経外科専攻医となれます。

全国の大学病院や特定機能病院を基幹施設とする計94ヶ所の研修プログラムのうちいずれか一つに専攻医として所属し、4年以上の研修を経て脳神経外科専門医を目指します。

専攻医1年目(卒後3年目)から穿頭術(慢性硬膜下血腫洗浄術、脳室腹腔シャント術など)、開頭術(開頭血腫除去術、減圧開頭術、一般的な開頭術の開閉頭担当など)、脳血管内治療のカテーテル誘導などを行います。

専攻医それぞれの到達度に応じて専攻医2年目(卒後4年目)〜4年目(卒後6年目)で、開頭術(低難易度脳腫瘍、脳動脈瘤ネッククリッピング術)、頚動脈内膜剥離術、脳血管内治療(頚動脈ステント留置術、脳動脈瘤コイル塞栓術、機械的血栓回収術)などを行います。

ただし、手術成功の鍵は手技の習熟のみだけでなく、術前の十分な検討(適応、体位、アプローチなど)、周術期管理(抗血小板剤の管理、脳圧管理、感染症の管理、血圧・血糖・呼吸・循環などの全身管理)、手術のさまざまなピットフォールに対する事前の心構えや準備、麻酔科医との連携、コメディカルに対する指示、患者家族との関わり方など多岐に渡ります。

治療に関連するトータルマネージメントが出来なければ術者として一人前とは言えません。
専門医取得までは手術手技ばかりに着目せず、臨床の総合的な能力を上げることが重要と考えています。

手術内容は多岐に渡りますが、執刀医として年間30〜50例程度、助手を含めると年間80例〜150例程度です。

急性期病院の勤務医(専門医)で1000〜2000万円程度と幅が広いです(臨床経験年数、病院内における立場によって大きく異なります)。

講演費、救急対応の手当や手術のインセンティブがあればこれに加算されます。開業医は法人の売上に応じて個人の収入を自由に決められます。

年齢や立場、勤務する病院によって忙しさはさまざまです。

一般的に専門医を取得するまでは忙しいと考えらえます。しかし、近年は休暇や余暇を重要視する傾向にあり、専攻医の先生方のワークライフバランスを考慮した専門医研修プログラムを提供する施設が増えています。

徳島大学脳神経外科では基本は週休2日です。

夜間や休日は、当直と自宅待機がそれぞれ一人ずつ担当しており、救急症例は当直(手術など人手が必要な場合は待機呼び出し)が対応します。
専攻医では1か月あたり、当直2回(休日1回、平日1回)、待機2回(休日1回、平日1回)程度です。他に関連病院の日直当直3-6回程度(平日休日合わせて)あり、本人の希望に応じて調整します。

年間の長期休日は年始年末、ゴールデンウィーク、夏休みがあります。夏休みは病院指定の夏季休暇に有給休暇を合わせて2週間取得可能です。2週間まとめて取得してもいいし、1週間毎や数日毎でも可能です。

海外や国内旅行に行く人もいれば、実家に帰省する人などさまざまです。

有給取得も推奨しており、事前に申請しておけば概ね希望通りに取得可能です。こどもの入学卒業式や運動会のために取得したり、趣味やリフレッシュ目的に取得する人もいます。

また体調不良ややむを得ない事情で急遽休みを取得しないといけない場合もありますが、他のスタッフがカバーできる体制を整えています。

脳神経外科は忙しく休みがないという印象があると思います。手術をしたり救急を多く扱う診療科であるため忙しい部分もありますが、仕事ばかりでは脳神経外科を続けていくことはできません。
効率化を図ったり、チームでサポートし合って、仕事とプライベートどちらも充実できるような体制を目指しています。

脳神経外科には様々なSubspecialityがあります。
脳卒中や頭部外傷などの救急疾患、脳動脈瘤やもやもや病などを扱う脳血管疾患、手術や化学療法も行う脳腫瘍、てんかんや不随意運動を扱う機能性疾患、先天疾患や発達過程での疾患を扱う小児脳神経外科、神経機能回復を目指すリハビリテーションなどがあります。

脳神経外科と言っても、それぞれの領域により手術や診療の内容、雰囲気は全く異なります。 例えば脳卒中を専門とする場合は脳血管内治療の技術が必須となってきます。

そのため徳島大学脳神経外科では専攻医の時から脳血管撮影や血管内治療の研修を受けてもらい、脳神経外科専門医取得後、脳血管内治療の専門医も取得してもらいます。

徳島大学には脳卒中センターがあるため、脳卒中センターに搬送される患者の治療にあたります。 その人の興味や特性に応じてSubspecialityの選択は可能で、徳島大学脳神経外科ではそれぞれの分野のチームがあり後進の育成にも力を入れています。

このページでは脳卒中以外の領域については記載していないですが、興味があれば是非当科のスタッフに質問してください。またこのホームページの中でも疾患の紹介を行っているので、是非ご覧ください。

最短では卒後7年目に専門医試験を受験することが可能です。

徳島大学脳神経外科では最短で受験できるように専攻医のプログラムを組んでいます。

卒後3年目で入局し、6年目の3月には受験に必要な症例数が確保できるようになっています。

脳神経外科専門医を受験するためには経験すべき症例数が指定されています。中には希少疾患のためなかなか経験出来ないものもあります。
徳島大学脳神経外科では、大学病院内で多彩な脳神経外科疾患を扱っているため、概ね不足することはありません。

どうしても足りない症例がある場合も、医局を通じて関連病院と連携し経験を積むことが出来るようにしているため、個人であれこれ手配する必要はありません。

また、専門医を受験するためには論文が必要ですが、徳島大学脳神経外科では上級医の指導のもと執筆出来るようにしています。大学病院だけではなく、研修を行う関連病院でも、論文作成の機会はあります。

専門医試験は卒後7年目に受験するため、受験の1年~半年前には大学病院に戻って臨床を行いながら専門医試験の勉強に励んでもらいます。受験の2カ月前からは臨床の仕事をセーブし試験勉強に集中できる環境となっています。

徳島大学脳神経外科には研究室を設けており、臨床及び基礎研究を行っています。主に脳血管障害研究、運動機能異常研究、脳腫瘍研究、外傷性認知症研究、てんかん研究を行っており、専門医試験合格後の大学院生と臨床医とが協力して研究しています。

徳島大学脳神経外科では専門医取得後に希望すれば大学院に進学し、大学院生として基礎研究に従事する場合と臨床を行いながら臨床研究を行う場合があります。

これまでの研究は様々な学会で評価されています。研究室紹介のページに詳しく掲載しているので是非ご覧ください。

留学は可能です。これまでのたくさんの医局員が留学し、研究や臨床経験を積んできています。

留学先は、海外ではカルフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)、Barrow Neurological Institute、トロント大学、マッギール大学、マサチューセッツ工科大学、ノースショア大学があります。

国内では京都大学、国立循環器病センター、兵庫県立こども病院に医局員が国内留学していました。

学生・研修医の皆様からの
質問をお待ちしています

徳島大学病院脳神経外科